| - 子供の季節、自由の季節- |
ー片田舎の駅のホーム。
どことなく隔離されたような気分になる、駅のホームの端にある喫煙コーナーにおれはいた。
天気は快晴。泣く子も黙るかどうかはわからないが、とにかく暑く、ひたいから、どころか体中から汗が吹き出てきている。
そういや、今朝のニュースで真夏日(最高気温が30度以上の日)が過去例にないほど続いていると言っていた。
その事実に、おれは一人ニヤニヤしながら納得する。
昨夜はまさにそんな今夏の恩恵を受けたに違いない。
オープン、オープン、どこもかしこもオープンだった。タンクトップ、ミニスカート、焼けた肌、べとつく汗・・・・。
心も身体もオープンで、旅はかきすて、一夜限りの最高の夜だった。
そんな悪太郎になっているおれの耳に突然、天使の声が入って来る。
ハッとした。
見ると、おれの近くにいつの間にか4人の小学生たちが群がっている。
顔も身体も真っ黒だ。めちゃくちゃ焼けている。夏休みの今毎日毎日、それこそ週六というヘビーローテンションで外で遊びまくっとるんやろう。
キャッキャキャッキャ 、キャッキャキャッキャ。
そんな折、構内にアナウンスが鳴った。
「電車は6両編成でまいります。白線の内側におさがりください」
見ると、山のある方向に電車が見える。
その時、一人のガキが叫んだ。
「おい、6秒やって、あと6秒。早く早く!」
そのガキは「うん?」となったおれをよそに、何度も繰り返しそう叫んでいる。そして、4人のガキどもは全員で「6秒!6秒!」となにやら楽しそうに合唱、はしゃぎだした。
一人がこけそうになるほどに焦ってホームの中央部に向かって走り出す。そして、それに負けじとでもいうように、他の3人も元気に走って行った。
おれはキョトンとした。
「何を言うてるんや、あいつらは・・・・??」
もちろん、6秒と6両を聞き間違えているのはすぐにわかった。けど、そんなことであそこまではしゃいでいるのが不思議で仕方がない。
電車が到着した。ガキどもはおれとは対極にある車両に乗ったようだ。さっきまでのにぎやかな甲高い声が聞こえない。
まったく人のいないガラガラの車内に乗り込んだおれは、車窓から山とたんぼだけの、田舎ののどかな風景を眺めた。
太陽のパワー、白い雲、青い大空・・・・。
どこからとなく、セミの鳴き声が聞こえてくる気がする。
「あれが子供やねんな」
おれは声にならないほどに、つぶやいた。
夏が似合う。夏の匂いがする。土の匂いがする。太陽の匂いがする。
そして、自由の匂いがする、子供。
悪太郎のおれは、夏とくればやらしいことを想像してしまう。
「あぁ、ずいぶんすれたな、おれ」
苦笑いする他なかった。
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| マル 2004.8.19 |
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| - 決断- |
今、かなり酔っている。
これを読んでいる人からすれば、「んなもん知るかよ」で、まったくその通りなのであるが、おれは今酔っている。
今日は酔いながら書きたいと思った。特に、理由はない。冷蔵庫にビールとテキーラがあったからガンガンいっちゃっている。
酔った今おれが思うこと。
「それは酔った時に言ったことやから」なんて、よくいう言い訳はおれはしない。
酔った時も自分が言った以上、自分の素直な言葉だと思っている。
さて、本題。情熱の言葉。
あれ? さっきまで頭の中にあったのに、何を言いたいか忘れてもうた・・・・。
何やったっけ??・・・・・。あらら、マジで忘れてもうてるがな・・・・。
何、言いたかったんやったっけ???
あっ! そうそう、思い出した。
日々、悩みごとはある。
おれもあるし、みんなもあるやろう。
「これ、どっち取ったらええかな?」なんて悩みとか。
仕事を辞める辞めない、夢を諦める諦めないから始まって、どんな小さな悩みにしたっておれたちは悩まされてる。
そんな時、悩む時間はホンマにもったいないと思う。どっちか取るしか選択はない。
「さぁ、どうしよ?」
そう思うのがすでに意味のないことである。
あかん・・・・、だいぶ酔ってるな、おれ。
そろそろ寝るとして、言いたいのは、決断が大事なんやなぁ、ということ。
どっちか決める。後は振り向かん。捨てた方はもうこの世に存在しないとまで考える。
じゃあ、前向いてて、強い気持ちを持って足は一歩前へ踏み出してる。
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| マル 2004.8.27 |
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| - OVER WORK- |
ここ最近ずっとアテネ五輪が行われていた。
テレビや新聞などを見ていてオリンピック選手に対して終始感じていたのは「ストイック」という言葉だった。
「限界を超えてやっている」
その姿におれは惹かれたし、また尊敬しっぱなしだった。
自分はボクシングをやっている。
ここ何週間のおれは、そんなスポーツのスペシャリストたちに感化され、人が変ったようにサンドバックを叩いた。スパーリング、ミット打ちも、いつもは計4Rのところを、倍の8R行った。
そして、毎日のように頭の中にあった「限界を超えて」という言葉の耳鳴りはデスクの上でも聞こえていた。
「眠い? ふざけるな。まだいけるぞ!」
「今、心折れて止めたら明日はない。書け、書けって。今日のうちにもっと続きを書いとくんや」
自分のケツを叩きまくった。
SM女王、君臨。
寝る時間を惜しみ、友達や異性との笑う時間を捨て、おれはストイックに打ち込んだ。
その結果、血尿になった。
お笑いである。
睡眠不足とストレスという診断。
普段やらないことをいきなりやって、どうやら肉体的にも、精神的にも限界を超えていたらしい。
しかし、人が変った石丸健。
「もっともっとやらなあかんのや」
その思いが溢れ出てくる。
立ち止まざるをえなくなった当の本人にしてみれば深刻だった。
「こんなんなっとたらあかん。ストイックにがんばってても意味ない。
でも、実際問題もっとやらな上行かれへん・・・・」
まるで修行僧のような顔つきで、おれは考え込んでいた。
そんな折、おれはある新聞記事に出会った。
あるオリンピック選手のトレーナーが書いている記事だった。
そこにはこんなことが書かれてあった。
「選手は試合前、不安な気持ちや闘志からオーバーワークしてしまうものです。それが不安な気持ちをなくしたり、自信につながったりして、功を奏する場合もあるのですが、マイナスに働くことの方が多い。
ぼくたちはそこの加減を見極めて、選手を育てていかなければならない」
その言葉は、考え込んで探していた答えのような気がした。
「オーバーワーク」
だからといって、トレーナーもいないおれにはどうすることもでけへんのやけど・・・・。
でも、それでもおれはおれなりの答えを、この言葉を知って見つけた気がする。
それは、どこかの瞬間に、自分で自分のケツを叩かないで、自分の好きなようにやれる瞬間を作る必要があるのだな、ということ。
たまにはSM女王を縛ってしまえ。
好きなようにやっていてがんばる瞬間を作るのではなくて、がんばっている中で好きなようにやれる瞬間を作る。
そのオーバーワークに達する直前のラインは「好きなものを好きでいられている限界」かな、と思った。
そんな思いにふけった時、ボクシングの世界チャンピオンに聞いた言葉を思い出した。
「一に練習、二に練習。吐いても、泣いてもやるわけだけど、やっぱり、好きこそものの上手なれ。
好きな奴は強くなるのが早い」
泣きながら、わめき散らしながら、吐きながら、血尿を出しながらも、オーバーワークにならない程度に好きでい続ける。
おれはそんなラインを突っ走っていきたいと思う。
どこを走ればいいか分かった気がしてうれしくなった。
その日からみごとに血尿はなくなっていた。
スポーツをやっていなくても、夢や目標がなくても、オーバーワークはある。
精神的なオーバーワーク。
例えば、恋愛問題。 悩みに悩み、考え込んでしまう。
自分を嫌いになる前に、好きな自分を思い出して取り戻して欲しいと思う。
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| マル 2004.9.4 |
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| - くすぶり- |
やりたいこと、うまくいってるか?
夢、叶えてるか?
そんなことの前に、毎日充実してるか?
友達、恋愛、仕事、夢・・・・、思い通りにいかんことは多い。
そんな中で、たいがいの人は「こんなもんやろう」と割り切る。自分の正直な気持ちを殺して、冷静になろうと努める。
言えば、大人。
でも、そうじゃない人もいる。真っすぐでパワーのある奴がいて、そいつはこう思う。
「クソ!!」と。
「何でや!!」と。
言えば、未成年。青春。
うっぷんが溜まっていく。
心の中のくすぶる炎を燃焼させたい、と。
その思いは、時に歪む。
アブナイ方向へと向かって行く。
それでいいのか?
いや、良くない。
じゃあ、どうする?
んなもん、知らん。
おいおい、ここまで言うて無責任やぞ。
そうか、そうやな。
くすぶり。
おれもくすぶっている。
現状に満足しない人はみんなくすぶっている。そして、「こんなもんやろう」と思わない人はみんなくすぶっている。
おれはそんなくすぶっている人たちが大好きだ。
自分の思いに正直で、パワーがあるから。
でも、くすぶり続けているとアブナイ方向に向かう。
なら、そのパワーをどこかで吐き出さなければならない。
夢や目標を持っていたりして、具体的なものがあるのなら、そこで吐き出す。その際、その一つだけを突っ走ることが大事なのだと思う。
後ろは振り返らない。周りも見ない。突っ走る。
最悪、くすぶっている原因であるものからのドロップアウトも一つの解決策だ。
漠然とくすぶっているのなら、何でもいいから一つだけに打ち込むことが大事なのだと思う。恋愛や友達との遊び、趣味、嫌という程それ一つだけをやる。
何にしろ、一つの物事を集中してやりまくるということが大事なのだと思う。
逆から言えば、一つ以外の他のことを考えないことが大事なのだと思う。
一つの物事に突っ走れ!!!
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| マル 2004.9.10 |
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| - へこむということは、そこに楽しめる要素が眠っているということ-
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ぶさいくな女がおれの横にいる。
2人とも裸のまま、ある虚脱感をもってぐったりとベットに横たわっていた。
ことが終わってしまえば、
「誰や、お前は」
そう言ってしまいそうになるほどにぶさいく。
けど、そんなぶさいくをホテルに誘ったのは、他の誰でもない、このおれだ。
誰がさぶいって、おれがさむい。
しかも、このぶさいくも思っているかもしれない。
「なんや、あれ」と。
視界には天井が映っている。おれは煙草ふかしながら、さっきこのぶさいくが言った言葉を苦渋の表情で思い出していた。
「なんや、これ。ちっさ」
ピン、と軽々とデコピンのように弾かれた感触が蘇ってくる。
屈辱的だった。
ぶさいくとバイバイしたおれは盛り場へと足を向けた。
どこか知らないバーでガツンと一人で酒を飲みたい気分だった。
「なんや、これ。ちっさ。
なんや、これ。ちっさ。
なんや、これ。ちっさ。
・ ・・・・・」
何回も何回も頭の中でこだまする。
「あぁー、そうさ、おれのは小さいさ。だからってどうやねん!」
おれは心の中でそうつぶやきながら、ビールのグラスをカウンターにドン!と叩き付けた。
バーボンのロックグラスやったらちょっとかっこ良かったかもな、なんてしょーもないことを思ったけど。
バーにはおれの他に客は2組のカップルだけやった。ここは田舎町。夜のいい時間だからといって平日に盛り場へ出て来る奴は少ない。
おれは変らずへこんでいた。酒を飲み続けた。ビール、ビール、ビールに飽きて、カクテルをオーダーする。調子に乗って、バーボンもオーダーした。
でもやっぱり飲まれへんのわかってるから、バーボンはオーダーキャンセルした。
グデングデン。おれ、酒弱いからな。
マスターと適当な話をして、携帯で友達ともしゃべった。
へこんでいたことを話のネタにしようと思ったが、できなかった。
どうしようもないからな、話たって。デカクなる方法でも聞くんかい!っちゅーことやもんな。
「そやねん、どーしようもないねん、これだけは。デカクしたいけど、無理。
そうやねん、おれはテクを鍛えるしかないねん」
・・・・・・・。
おれが何を言いたいのか、お困りであろう。
おれが言いたいのは、もともとおれたちは身体的なこととか社会的なこととか、一人一人それぞれ持って生まれてくるものが違う。
あいつは金持ちの家に生まれてええな。
あいつはかわいいな。
あいつはかっこええな。
あいつ走るの早いな。
あいつセンスあるよな。
ちゅーような感じことは、みんなそれぞれ思ったことあるやろう。
そう、みんな一人一人それぞれキャパがある。
だから、自分にないキャパを持っている人を見たりするとうらやましく思う。
でも、
「そやねん、どーしようもないねん、これだけは」
でも、
「そやねん、おれたちは違う部分でカバーすることができる」
自分にはキャパがある。それを素直に理解して、その自分のキャパの中でどれだけ暴れたおすことができるか。
自分の身体的なキャパや社会的なキャパを考えてへこむより、自分のキャパの中で暴れようと、とにかく今以上に楽しもうとしている人が、人生を一番楽しんでいるように思う。そんなことが言いたかった。
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| マル 2004.9.17 |
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