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  ■first scene 「未成年」(全28話)
  second scene
「くすぶる日々」(全26話)
  third scene 「友達の死」(全14話)
  fourth scene 「青春の輝き」
  第1話  「新学期」
  第2話  「口では語らない男」
  第3話  「コンパスのような存在」
  第4話  「霞高校」
  第5話  「わかり合う、大人と子供」
  第6話  「白い、それ」
  第7話  「オカシイけいこ」
  第8話  「青く激しい炎」
  第9話  「壊れかけの人間」
  第10話 「不良品のプレミア」
  第11話  「大人と子供の恋愛」
  第12話 「真相」
  第13話 「人間の弱さ」
  第14話 「屋上からの空は近い」
  第15話 「島田の決心」
  第16話 「一番いいシナリオ」
  第17話 「出会いもスタート、別れもスタート」
  第18話 「ただ純粋に、楽しかった」
  第19話 「5人を引きつけているもの」
  第20話 「time goes by」
  第21話 「卒業ライブ」
  第22話 「登場」
  第23話 「スポットライトがまぶしくて」
  第24話 「暴動」
  第25話 「祭りの後」
  第26話 「背中がゾクッとした」
  第27話 「わからない」
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first scene 未成年
第12話「真相」
「おい! 島田!! いるんだろ、開けろよ!!」
 いつも以上に大声で言ったが、返事はなかった。
「おい! 島!」
 菊池がもう一度呼ぼうとした時、ドアのノブがゆっくりと回る。
 島田が顔をのぞかせ、「さっきはどうかしてた・・・・。ま、入れ・・・・」と、うつむきながら顔を見せないで、小さくつぶやくように言った。
 無言で入る菊池。島田の顔に涙の跡が見えた。
「このおっさんが泣くなんて・・・・。よほどのことがあったのか・・・・」
 そう思って、数分間は何もしゃべれなかった。

 教官室の窓から見える空は雨が降ってきそうな色合いをしている。
 今、雨が降ればもう今年は桜を見ることはできない。
 命には限定がある。期間は違えど、人も含め全ての存在の命には限定がある。
 でもだからこそ、目を奪われる程に美しいのだろう。

「あのさ・・・・」
 菊池が張りつめた空気を裂く。
「おれ、見ちゃったんだよ。お前とけいこがキスしてるとこ・・・・」
 唐突に言った。
 うつろな目をしていた島田だったが、その言葉を聞いたとたん瞳孔はカッと見開いた。
 しかし、またすぐにうつろな目に戻る。
「・・・・。そうか、あの夜だな・・・・」
「そう・・・・。おれ、あの日学校の外周を兄貴のバイク転がしてたんだ。で、何でこの時間に明かりが付いてるんだ? って思って・・・・。
 びっくりしたよ・・・・。でも、2人を見ていたらすごく愛し合ってるんだろうなって思った。教師と生徒、大人と子供なんかいう枠を飛び越えて、ほんとに愛し合ってるんだなぁって・・・・。
 だから・・・・」
 島田はピクリとも動かなかった。
 しばらくして、島田の乾ききった唇が動き始める。
「お前には・・・・言うよ。大人である、子供を教える立場の先生がこんなの情けないけど、信頼できるのはお前しかいない・・・・」
 そう言って島田は話始めた。

 去年の冬、12月24日、クリスマスイブの日だった。
 けいこが島田にクリスマスプレゼント渡した。プレゼントは手作りのクッキー。
「高校生らしくかわいいなぁ。こんな生徒を受け持って、おれは教師として幸せ者だ」
 島田はその時、そう思っただけだった。
 しかし、中に添えられていたメッセージカードを見て、島田は何とも言えない気持ちになったという。
「好きです、先生。ほんとに・・・・。もう止められない・・・・。
 だから・・・・言っちゃうね。外でデートしたいけど、それが無理なら教室で勉強教えてよ。絶対だからね!」
 そう書かれてあった。
「積極的な、あいつらしいな・・・・」
 少しはにかみながら菊地は言った。
 しかし、島田は散りゆく桜に抱く喪失感に似た面持ちで続ける。
「あの時、何かが壊れるような、そんな感じがした。怖いというより、何かがおかしくなりそうだった・・・・。それまで生徒のことを一人の女の子としてなんか見れなかった。そんなこと考えたこともなかった。でも・・・・」
 島田の口から言葉が止まる。
「好きですとけいこに言われて見る目が変わったのか・・・・」
 菊池は島田の言葉に続けた。
「そう・・・・だ。その瞬間からけいこちゃんを一人の女として見えるようになった。おれは教師である前に一人の男だ、そんな考えも生まれ出した。けいこちゃんの誘いを断ることができなかった・・・・」
 両手で膝を握りしめ、島田は震え、泣きながらそう言った。
 菊池はそれに何も答えることはできなかった。

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