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  last scene(小説のtop pageへ)
  first scene「未成年」(全28話)
  third scene「友達の死」(全14話)
  fourth scene「青春の輝き」
  ■second scene
「くすぶる日々」(全26話)
  第1話  「ガキではない5人になり」
  第2話  「大人ということに追われ」
  第3話  「再会」
  第4話  「わからない感情」
  第5話  「照れくさいな」
  第6話  「バカなところは変らない」
  第7話  「深夜のファミリーレストラン」
  第8話  「夢か友達か」
  第9話  「夕暮れに向かって走る電車の中で」
  第10話  「夢の裏側」
  第11話  「ひとりぼっち」
  第12話  「背中にはいつも悲しい夕暮れがあった」
  第13話  「ディスコ」
  第14話  「で、どうするんだ、これから・・・・」
  第15話  「ホステスの女との生活」
  第16話  「ヒーローは遅れてやってくるもの」
  第17話  「あの頃の菊地」
  第18話  「自分が生きる理由」
  第19話  「やりたい仕事が見つからない」
  第20話  「旅」
  第21話  「2年前、前回の5人」
  第22話  「萩原が外国で見つけたもの」
  第23話  「言えない菊地」
  第24話  「情けねぇ」
  第25話  「23歳までの5人の生活」
  第26話  「曇った心にはいつか雨が降る」

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second scene くすぶる日々
第1話「ガキではない5人になり」

 ミーンミンミン、ミーンミンミン・・・・。
 木に蝉が張り付いている。いや・・・・、あれはカブトムシか。
 うだるような夏の暑さだった。

 情円市霞町の夏。
 太陽はもの凄い勢いで熱を発散している。
 ちんちくりんの短パンに、土にまみれ汚れたTシャツ姿の少年たちがワイワイ、ガヤガヤと周囲を山に囲まれた川辺ではしゃいでいる。細めの少年たちはそこら中を走り回り、一人のデブの少年は堂々とちんこをかきむしっている。
 近くのまったく舗装されていない道路では、腰の曲がったおばあちゃんが竹ほうきで道路をささっと掃き、水をまいていた。
 吸い込まれそうな大きな青空、これほどか! と言わせるほどの圧倒的な太陽のパワー、目の疲れを癒してくれる真緑溢れる山々、静かな田舎町に流れる耳に心地よい音を奏でる川、茶色い土、そして何よりも輝いている少年少女たち・・・・。
 夏は少年たちの季節だ。でも、そんな季節も時の流れとともに変わって行く。

 菊地、萩原、良、永川、加藤の5人が霞高校を卒業して、はや5年が経っていた。
 2005年、夏。
 萩原と良の電話で5人は約2年ぶりに会うことになった。
 霞町唯一のファミリーレストラン「SHOCK FOOD」で夜の10時に待ち合わせることにした。

 待ちに待ったこの日・・・・。
 萩原は溢れてくる興奮とうれしさを隠しきれないでいた。
「なんせ2年以上ぶりだもんな。あいつらどうなってるんだろう?」
 高校の頃は毎日のように会っていて、言えばウザク感じる日もあったほどに遊んでいたのに・・・・。あの頃はそんな毎日がずっと続くと思っていた。
 でも、高校を卒業し、5人の進路はバラバラになった。たったそれだけで会う回数は極端に減った。
 卒業をした春に一回、その一年半後に一回、年を経るごとに回数は減り、今回会うのはなんと2年ぶりだった。
 5人揃って会ってメシを食うだけが、えらく遠い。

 一週間前、萩原は良に電話した。
「もしもし、良か」
 少しの間があった。もしかしたら少しの間もなかったかもしれないが、気持ちがそう思わせたのかもしれない。それほどひさしぶりだった。
 手に変な汗が浮かんできている。
「ひさしぶりだな、萩原」
 いつもの話し方だった良の返事を聞いて、萩原は少し落ち着きを取り戻した。
「元気だったか?
 みんなとは連絡取ってるのか?」
 萩原が言った。
「取ってないよ。取ってないし、みんなからの連絡もなし」
「おれも同じく、だ」
 萩原が受話器越しにかすかに笑うと、良もクスッと笑った声がした。
「けど、何でだろうな?」
 良が言った。
「何が?」
「いや、みんな何で連絡してこないんだろうなって。まぁ、おれもだけど・・・・」
 そう言えばそうだ。誰からも会おうぜの一言がない。
 けど、萩原にはその理由がここ最近、なんとなくわかってきた気がする。
「待ってる。みんな、連絡を待ってる。
 恥ずかしがり屋が多い・・・・んだろうな」
「ハハハハ! だな、そうだな」
 良も、おれもそう思ってたんだ! とでも言うように、受話器越しから笑い声が聞こえてきた。

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