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second
scene くすぶる日々
第2話「大人ということに追われ」 |
「なぁ、良。おれたち全然会ってないじゃん。みんなで一回集まらないか?
いつものようにやっぱりおれから言うしかないのが、少し寂しいけどな」
萩原は苦笑しながら言った。
「間違いねえな。いつもお前から言ってるよな。おれもみんなと同じなのかな、会いたいから会おう、それが言えない」
良はそう言うと受話器越しでも照れたのがわかった。
「しかし・・・・、もうどれくらい会ってない、おれたち?」
良は考えるように、言った。
「・・・・2年。いや、2年以上経ってるんじゃないか?」
萩原は答えた。
「まぁ、会おうとしてもなかなかみんなのスケジュール合わないしな」
良の言葉が萩原の心にしみた。
「そうだよな、あの頃とはずいぶん違う・・・・。
いつの間にか、おれたちもガキから大人になっちまったってわけか」
「そう、なるんだな・・・・。
仕事や用事、あの頃にはなかったものに、今はがんじがらめに囲まれてる」
切ない風が心の中を通り過ぎた気持ちになった。グッとハートを締め付けられたかのような胸苦しさを感じた。
「なんだかなぁ・・・・」
萩原は自分に言うように良につぶやいた。
萩原と良で、とりあえずの日にちを決め、残りの3人、菊地、永川、加藤に携帯でメールを送った。加藤からはすぐに返事があり、「週末なら何とか合わせられると思う」という返事が返ってきた。
何日後かに、永川からも返事があった。
「全然行けるよ。てか、おれたち何年会ってなかったんだ?」
みんな考えていたことは同じようだった。同じことを考えていて、でも、同じように誰も会おうと言えなかった。
5人がめんどくさがりという面を持っていることや、寂しいと一言、友達に素直な気持ちを言えないという恥ずかしがり屋で、かっこつけな性格を共通して持っていたということも関係するだろうが、それだけじゃなかった。
電話で良が萩原に言ったように、仕事や用事、今の自分が背負っているだろうものにがんじがらめにされていた。
今の自分が背負っているだろうもの、それは例えば自分の彼女だったりした。高校時代の頃のように、「女なんていらねえ」と突っ張ったり、彼女が一緒に帰りたいと言っても「おれは友達と帰る」と冷たくあしらうことができなくなってきていた。
そこには、自分が背負っているという意識ができたからかもしれない。昔は何も考えず付き合っていたのが、今は付き合っている間だけでも、その相手の人生を考えるようになった。
みんながみんなどうかわからないが、少なくとも萩原はそうだった。
いつしか、少年たちは大人ということに追われ始めていた。 |
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