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  last scene(小説のtop pageへ)
  first scene「未成年」(全28話)
  third scene「友達の死」(全14話)
  fourth scene「青春の輝き」
  ■second scene
「くすぶる日々」(全26話)
  第1話  「ガキではない5人になり」
  第2話  「大人ということに追われ」
  第3話  「再会」
  第4話  「わからない感情」
  第5話  「照れくさいな」
  第6話  「バカなところは変らない」
  第7話  「深夜のファミリーレストラン」
  第8話  「夢か友達か」
  第9話  「夕暮れに向かって走る電車の中で」
  第10話  「夢の裏側」
  第11話  「ひとりぼっち」
  第12話  「背中にはいつも悲しい夕暮れがあった」
  第13話  「ディスコ」
  第14話  「で、どうするんだ、これから・・・・」
  第15話  「ホステスの女との生活」
  第16話  「ヒーローは遅れてやってくるもの」
  第17話  「あの頃の菊地」
  第18話  「自分が生きる理由」
  第19話  「やりたい仕事が見つからない」
  第20話  「旅」
  第21話  「2年前、前回の5人」
  第22話  「萩原が外国で見つけたもの」
  第23話  「言えない菊地」
  第24話  「情けねぇ」
  第25話  「23歳までの5人の生活」
  第26話  「曇った心にはいつか雨が降る」

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second scene くすぶる日々
第4話「わからない感情」

 あの頃・・・・、
 何よりもやっぱりまず最初にけいこと島田のことが頭に浮かぶ。あの葬式の日以来、萩原は夢の中で何度も何度もあの日の映像を見た。別にうなされたとか、そんなことじゃない。ただ、楽しかった思い出や涙した感動以上に、頭の中に焼き付いていた。
「おれも何度も見てる。今でも見るよ」
 良も同じだった。おそらく他の3人も同じなのだろう。

 死というものの意味のわからなさと不快感。
 自分たちはけいこと島田に何もしてやれなかった。歯がゆかった。
 あの日、雪の中を歩いて帰っていた時、菊地が言った。
「おれ・・・・、悔しい。けいこと島田に何もしてあげることができないのか・・・・。
 一言声をかけることすらできなかった・・・・」
 そう言って、民家のコンクリートの壁を力いっぱい殴った。
 真っ白な雪が舞う中、歩き出した菊地の右腕の拳からは真っ赤な血が出ていた。
「おれも何もしてやれなかった・・・・。
 けど、何だかよくわからないんだ。どうしていいのかさえわからない、今の自分が・・・・」
 永川が言った。
 加藤は立ったまま嗚咽していた。良の目にも涙が浮かんでいた。萩原は4人のいる反対側を向いていた。
 しばらく誰も何もしゃべらなかった。加藤の嗚咽だけが深々と降る雪の中で響いていた。

 あの日から今まで、各自けいこと島田の子供の命日にはお線香をあげに行っている。5人揃って行ったことはなかった。そのことに関して連絡を取り合うこともなかった。何故なのか? と問われれば理由はなかった。もしかして、各自が「そんなものは友達同士連絡を取って行くものではない」と心のどこかで感じていたのかもしれないが、わからない。ただ各自が一人一人で行った。
 2年前、けいこと島田に子供が出来た。名前はあの時生まれ、育っていくはずだった子供に付けようと思って考えていた名前を付けたということだった。でも、けいこと島田の中では子供は2人、家族は4人であるに違いない。
「おれもこんな家族を持ちたいな」
 命日にお線香をあげに行った時、萩原は毎年同じことを思う。
 そう思えるほどに、島田家は今幸せな日々を送っている。

 時は流れる。
 喜ばしい時、怒りに満ちている時、哀しい時、楽しい時、そんなものは一切関係なく、時はたんたんと、静かに流れていく。
 その変えられない事実がうれしい時もある、また、哀しい時もある。

「クーラ―切ってくれないか?」
 萩原が言った。
 この暑さの中、クーラーを付けてくれ、と頼む奴はいても、切ってくれ、と頼む奴は風邪をひいている奴くらいだ。けど、良は何も言わずクーラーを切った。
 良も萩原と同じ気持ちだったのかもしれない。
 クーラーの音に邪魔されず、まだ、あの頃の、哀しいこともあったが、楽しいことも溢れていた、自分たちにとってのFIRST SCENEを見ていたかった。
 

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