萩原が一年以上の旅から帰国してきて、5人はひさしぶりに再会していた。
高校を卒業してから二回目の再会。
あの時は高校を卒業して間もなく、みんなにたいした変化はなかった。
だが、今回は前回の出会いから一年以上の月日が経っている。
21歳。もう未成年ではない。
大人・・・・、けど、子供。
いや、子供でありたいと思っているだけだろう。
萩原はひさしぶりの再会を目の前に思っていた。
「菊地はどうしているのか?
良は何をしているのか?
永川は夢をつかんだだろうか?
加藤は楽しく大学生を満喫しているだろうか?」
目の前の白い四駆がパッシングをしている。
永川の車だ。
永川が迎えに来た車に萩原は乗り込んだ。
車内には全員が揃っていた。
「よ! みんな元気にしてたのか?」
萩原は後部座席に乗り込みながら、みんなに言った。
「まあな」
目が合った助手席に座っている菊地が振り向きながら言った。
「そっか。そりゃ朗報だ。
良は?」
萩原が笑顔で言った。
「おれは前言ってたディスコの仕事を辞めて、今は何もしてねえよ」
萩原は良が少し疲れているように感じた。
「元気でやってんのか?」
「微妙、かな」
良はそう言って吸っていた煙草を指で弾いて、車の窓から捨てた。
良のその疲れた感じの横顔にひっかかるものがあったが、萩原はやり過ごした。
「加藤は?」
「お、おれも普通だよ。
たまにスロットやってる」
萩原は加藤のいつも何かに焦っている感じの、恥ずかしがり度がかわいく感じた。
「バイトはしてねえの?」
「やってるよ。家の近くのパン屋で」
「そっか。
それより大学にはかわいい子いっぱいいるんだろ、早く紹介してくれよ。
コンパしまくってんじゃないの?」
萩原は笑って言った。
「あ、あんまりいないよ。コンパは話あるけど、おれ行ってないし」
加藤は急ぐように煙草をズボンから取り出し、口にくわえて言った。
シュッシュッとライターで火を付けようとするが、つかない。
後部座席の加藤の隣にいた良が、横から火を差し出した。
「そうなの? コンパしたかったのにぃ!」
萩原はまた笑いながら言った。
「お前はどうだったの、旅?」
運転座席にいる永川が萩原に言った。
車は深夜の暗闇の中を進んだ。
フロントからの景色に車は一台もなく、信号は3つ先まで青になっている。
これからどこに行くのかなんて決まっていない。
そんなのいつだって決まっていない。
まるで、自分たちの人生のように。
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