車はいつも通り、無計画な5人を象徴するように、目的地もなく走っていた。
フロントガラスに水滴が、一滴、二滴。
少し雨がパラパラと降り始めて来ている。
結局、この日誰もこれまでの自分について詳しくは話さなかった。
良はスロットばかりをやり、くすぶっている自分を出さなかった。
永川はバンドで成り上がってやる!という夢が簡単に叶わず、壁にぶち当たっていることを仲間には一切感じさせなかった。
菊地も自分の思っている気持ちを匂わせはしたが、結局、言えずじまいだった。
加藤も大学生活がうまくいっていないことを言えなかった。
そして、まだこの5人の中では一番多くを話した萩原も、
帰国してきて、これから先いったい自分は何をやっていくのか?ということに対して不安が溢れる程あったことを打ち明けられなかった。
まだ、照れ屋な5人。
かっこつけで、自分が自分の格好わるいと感じる部分を見せたくないと思う5人がいた。
自分のダサイ、腐った部分を見せることで友達がどれほど救われるか、ということは嫌程わかっているつもりだった。
でも、現実には口に出せないままだった。
「情けねえなぁ、おれは・・・・」
萩原はバイバイと車を降りた後、そんな部分を見せられない自分にいらだちを感じた。
夜明け前、みんな帰ることになった。
菊地は朝からドカタの仕事が待っている。
この日から、今SHOCK FOODで2年ぶりに会うまで、一回も会っていなかった。
どこかで5人それぞれが「遠さ」を感じていた。
どこか違う。あの頃、高校生の頃とはどこか違った。
それは、自分の心の中にあるものを打ち明ける、ということ。
そのことが「人との繋がり」を感じさせてくれるのは誰もが知っていたが・・・・。
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