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  last scene(小説のtop pageへ)
  first scene「未成年」(全28話)
  third scene「友達の死」(全14話)
  fourth scene「青春の輝き」
  ■second scene
「くすぶる日々」(全26話)
  第1話  「ガキではない5人になり」
  第2話  「大人ということに追われ」
  第3話  「再会」
  第4話  「わからない感情」
  第5話  「照れくさいな」
  第6話  「バカなところは変らない」
  第7話  「深夜のファミリーレストラン」
  第8話  「夢か友達か」
  第9話  「夕暮れに向かって走る電車の中で」
  第10話  「夢の裏側」
  第11話  「ひとりぼっち」
  第12話  「背中にはいつも悲しい夕暮れがあった」
  第13話  「ディスコ」
  第14話  「で、どうするんだ、これから・・・・」
  第15話  「ホステスの女との生活」
  第16話  「ヒーローは遅れてやってくるもの」
  第17話  「あの頃の菊地」
  第18話  「自分が生きる理由」
  第19話  「やりたい仕事が見つからない」
  第20話  「旅」
  第21話  「2年前、前回の5人」
  第22話  「萩原が外国で見つけたもの」
  第23話  「言えない菊地」
  第24話  「情けねぇ」
  第25話  「23歳までの5人の生活」
  第26話  「曇った心にはいつか雨が降る」

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second scene くすぶる日々
第25
話「23歳までの5人の生活」


 今、SHOCK FOODで5人が2年ぶりの再会を果たすまで、この2年間、永川はCDデビューする夢を追いかけた。しかし、そううまくはいかなかった。
 小さなレコード会社と仮契約を結んだという話もあったが、あと一歩が叶わなかった。

「仮契約できても、それで本当にデビュー出来る奴はほんの一握りだってことがわかったよ」

 いつか電話で萩原は怒りににも似た口調の永川からそんな話を漏れ聞いた。

 半年前、永川は専門学校時代から3年間ずっとやってきていたバンドを抜けた。
 夢が叶わずくすぶり続ける日々に嫌気がさしたのかもしれない。夢を追いかけることに疲れたのかもしれない。
 新しいバンドは見つかっていなかったが、辞めた。

 ただし、夢を諦めたわけじゃなかった。
 今は家の近所の工場でアルバイトしながら、新しいバンドを探している。

 加藤の日々は変らなかった。大学へ行って誰ともしゃべらないで帰宅し、バイトへ向かい、時間を作っては風俗嬢のみきちゃんに会いに行っている。
 みきちゃんとは客、風俗嬢という関係から何の進展もないまま終わっていた。
 ある日、いつものように店へ行くと、みきちゃんは突然店を辞めていた。
 風俗嬢がジャンプするのはよくあることだとは頭ではわかっていても、悲しかった。

 夜空に薄らとぼやけている月を見ながら静かに涙を流した。

 その日以来、加藤はさらにしゃべらなくなっていった。

 大学を卒業してからは、パン屋のバイトを辞め、もう少し時給の高いパチンコ屋のバイトに変えた。
 就職はしなかった。希望していたが、ことごとく面接に落ちた。

 風俗嬢のみきちゃんがいなくなってからはずっと、パソコンを買いメールのチャットにはまっている。顔もしらない相手とラブラブな会話をしたり、やらしい言葉を送り合ったりしている。
 加藤はそんなオナニズムな行為に興奮していた。が、やればやるほど、現実から遠ざかって行く気がしていた。
 それが証拠に、今の加藤は大学に入学したての頃以上に、人見知り、いや人嫌いになっている。

 良は高級クラブのホステスの家にずっと居候していたが、一年前に別れた。
 相変わらず定住せず、友達の家を転々とし、スロットをやる日々が続いている。
 やりたいことがない。何をしていいのかわからない・・・・。
 変らない日々が続いていたが、財布的存在の女がいなくなった良の借金はかさむ一方だった。
 やりたくないけど、今は何か仕事はしなきゃいけないと考える日々が続いている。

 菊地と萩原の思いは似ていた。
 Stand by me。
 友達との時間・・・・。

 菊地は何よりも実際にそういう生活を願っていた。どうすることが友達を大切にできている奴なのか、それは今も尚まだわからなかったが、そうしたいという思いはますます増えていくばかりだった。
 しかし、願いは簡単じゃなかった。
 もうあの頃じゃなかった。いつしか、少年たちはガキから大人へと変っていた。
 仕事や世間に囲まれ、時間に追われていた。
 人生をかけて友達との時間を重んじる菊地がSHOCK FOODに遅れて来たことが、何よりそれを証明していた。

 萩原がこの5人の中では一番悠々自適に、高校の頃のように自由に生きてこれたのかもしれない。
 ただ自分の思うままに、やりたいことをやってきた。
 他の4人から見ていても、萩原が大人になっても順風満帆のようかに見えた。
 だが、そんな萩原にも問題はあった。

 少年時代は誰もが皆自由だった。だから、いつでもどこでも友達が側にいて楽しかった。
 が、今は自分一人だけが自由でいても何のおもしろみもなかった。

 突っ走れば突っ走る程、一人になっていき孤独感が増した。

 だから、萩原は菊地と会うとどこかしら安心できた。心が休まった。
 菊地は自分の想いを誰にも言っていなかったが、萩原はそんな菊地の懐を感じ取っていたのかもしれない。


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