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third scene 友達の死
第1話「時は流れる。美しくも、悲しくも」


 秋の夜空は何を映し出しているのだろうか?
 真っ暗な夜空に栄える、赤、黄、茶色の色とりどりの木々。
 哀愁・・・。
 何かを考えさせられる秋。

 23歳のあの夏。SHOCK FOODからの帰り際に加藤の言おうとした言葉に
もっと耳を傾けていたら事態は変わっていたのかもしれない。
 いや・・・、そうとばかりも言えない。
 あの時、菊地は加藤の気持ちをわかろうとしていた。
 だから、加藤の肩をポンっと叩き、笑顔で「またすぐ会おうぜ」と言った。

 やっぱり違う、違う。
 それよりもっと以前から5人それぞれが自分のダサイ部分を仲間に
見せられる奴らであったなら、事態は変わっていたのかもしれない。
 もしそうだったなら、加藤があの時言おうとした言葉を聞くことができたかもしれない。

 高校を卒業してから5人がほとんど会わなかったという事実。
 それは、大人になり仕事に追われ、という社会的なことが最も関係しただろうが、
自分のダサイ部分を友達に見せられないという、
強がる屈折したプライドが生んでいたこともまた事実だった。

 おれは輝いているはず・・・・。
 おれはくすぶっていない・・・・。
 友達に恥ずかしい所は見せられない・・・・。

 そんな自己防衛の想いがあることをみんな自分自身で気付いていた。
 わかっていて、その屈折したプライドが友達との関係を疎遠なものに
しているとわかっていて、各自それを壊すことができなかった。

 2007年、秋。
 4人は25歳になっていた。
 大人、いや、おっさんの領域か。
 First sceneの頃の18歳だった頃から考えれば、確実に若者とは言えなくなっている。

 霞町にいればどこにいても見える山々の紅葉。
 赤く染まった葉、茶色に枯れかけた葉、まだこれから色づいていくのだろう、緑色の葉。
 夏から秋へ・・・・。
 町行く人々の様相も、Tシャツからトレーナーやシャツを羽織った着こなしに変っていた。

 昼間はまだ暑さの残る日もあるが、日が落ち、夜になると一変し寒さを感じ始める。
 静かな夜道を一人で歩いていると、どこか悲しく、何故か切なくなる、
哀愁感漂うこの秋という季節を、4人は一生忘れることが出来ないだろう。


 ドンドンドン、ドンガラドン、ピー、ピー、ピー・・・・。
 太鼓と笛の音が霞町一帯に鳴り響いている。
 少年たちが法被を着て走り回り、青年たちは神輿を担いで町を走り回る。
 町中、特に神社ではいたるところに提灯がつり下げられていた。
 街の様子は、昼間にいたってはいつもとそんなに変化は感じられなかったが、
暗くなり夜になると、提灯に明かりが灯され、テキ屋のいくつかも出てき始めた。

 提灯のぼんやりとした明かりが境内の土の地面をやさしく照らしている。

 そんな中を家族連れ、カップルたちが通り行く。
 昼間、神輿イベントがあった時のように、みんなバカ騒ぎはしていない。
 家族連れは夫婦の間に子供たちを挟み、ゆっくりとほがらかな笑顔で歩いている。
カップルたちは静かに手を取り合って身を寄り添わせていた。

 5人で会うのが最後になってしまった、去年の秋の霞町の神社の祭り。
 5人はSHOCK FOOD以来、一年少しぶりに会っていた。


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